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9/6:永遠の達郎

子供の頃、ラジオ体操とか、踏み台昇降やらされてる意味がわからなかったものですよ。

 

「これ何の意味あるの?」

 

だって、いつまでも続けられるんだもん。子供の頃は身体も軽い。しかし、47才という年齢になるとラジオ体操の大変なこと!腕を振ったり、身体を曲げるだけで、身体中から異音がミシミシいいよる。例えば漫画家でも、年を取ると絵が変わる人も出てくる。老眼や、握力の問題。特にアナログの場合は影響があるかも知れない。

 

というように、若い頃と同じようにやろうと思っても、できなくなってくるのです。

 

しかし、還暦を大きく過ぎても、若い頃と同じステージを未だに敢行しきっている偉大なアーティストがおるわけですよ。

山下達郎!

 

最近ユーミンだのカシオペアだの、自分が若い頃聞いていたアーティストのコンサートを初めて見に行くみたいなことやってるけど、レジェンド度でもチケットの取りにくさでも最高峰の達郎。何しろ3000人ぐらいのホールでしかやらないから、ほとんど常連で埋まってしまう。まさか行ける時が来るとは思ってなかったよ。

 

NHKホールはやはりおじさまおばさまで一杯。ボクでも若手。隣の席の人は相続の話をずっとしてた。なんだろなぁ。この雰囲気のなかでボクは相当に緊張していた。名人落語家の高座を見に赴くような縮こまる気分というか、ボクがこのプラチナシートの1席を埋める資格があるのだろうか…と。

 

その限られた人のみが見に行けるコンサートの世界は…まさに想像を絶するものだった!

 

1曲目のSparkle→あまく危険な香り→ドーナツソングからもう驚きの連続。とにかくバンドの演奏が巧い!生き物のように息づかいを感じる演奏。そして歌声!レコードと同じ、いやレコードよりもさらにすごい。声量が溢れかえってる。渋谷への道すがらライブアルバムの「JOY」を聴きながら行ったんだけど、30年前のライブに全く負けていない!当然ながらオリジナルキー。原曲キーにこだわる人はいるけど、やっぱり年とともに苦しくなるからフェイクにしちゃったり、高音に上がる前にテンポ遅れたりしちゃうもの。それが全くない。声帯って鍛えていれば衰えないって池田理代子先生がおっしゃってたけど、筋力の問題とかもあって、カシオペアの野呂さんですら、ギターのリズム感が甘くなってしまう。それがある意味、年齢の味というものだ。でも、達郎さんはキーも縦のリズム感もばっちりあってる。

 

3曲目のドーナツソング。冒頭のボディドリーですぐに「あ、ドーナツソング!」ってわかるのに、歌が始まらない。代わりに始まったのが、「さよなら夏の日」。そこからドーナツソングに戻って、中盤ではハンドクラッピンルンバ〜福生ストラット〜ノット・フェイド・アウェイ〜ウィリー・アンド・ザ・ハンド・ジャイブとボディドリーリズムにひっかけたリレーを織り込みながらの演奏!何これすごい〜。

 

何でも達郎さんは60才すぎて大分丸くなったそうで、セットリストも話し方もサービス精神満点!大滝詠一さんのことも今では大分自然に話せるようになったと言うMCから、大滝詠一の曲、しかもなんと「君は天然色」がスタート!一番有名なところ…素直に嬉しい。しかも恐ろしく巧い…。

 

円熟味がありながら、若さ、みずみずしさ、好きな音楽に出会えた時の嬉しさを同時に感じられる素晴らしいステージ。こんなすごいものを限られた人しか見られないというのは本当に残念。でも、達郎氏はクリックなし、プロンプターなしにこだわっているので、この大きさの場所でしかできないんだろう…。

 

本編最後はもう超グランメゾンな展開。「LET'S DANCE BABY」から途中に竹内まりあメドレーをはさみ、そのまま「ハイティーンブギ」へ突入!そして最後の曲の「アトムの子」から途中に演奏されるのは「アンパンマンのマーチ」!!もう開いた口がふさがらない…。

 

こうして、あらゆる音楽、そして技術を網羅したショウが終わった。アンコールまで全くもって同じパワー、同じ声量でやり通す達郎さん。どういう鍛錬を積んでいるのか。MCでは年を取ったことにまつわる話をするものの、ステージでは最後まで息も全く切れない。プロとしての鉄の意志を感じた。しかも、そのなかにメッセージもあった、「最近世界に争いが絶えないからせめて音楽で明るい気持になってほしい」。アトムの子とアンパンマンマーチが最後に来たのは、達郎氏の平和への願いだったんだろう。

 

個人的に達郎さんを初めて認識した「土曜日の恋人」とアルバの連載準備の時にトラウマレベルに聴いた「ドーナツソング」が聴けたのが嬉しかった。でも、一番好きな「スプリンクラー」を聴けなかったことは心残り。これで冥土の土産のつもりだったけど、一生でもう一度いけるようにこれからも応募し続けよう。

wakakitamiki * 音楽 * 23:59 * - * - * pookmark
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