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2/3:平成終わりに昭和史

東京に帰還。

楽しかったけど疲労困憊。

 

帰りに読んでいた積読してた本。半藤さんの「昭和史」。

 

昭和のあらゆることを記憶する現代の稗田阿礼とも言うべき半藤さんが、太平洋戦争付近の自身の思い出を後から調べた詳細な事実で補強して語るベストセラー。とにかくわかりやすい。一人の人が「語る」という形式のおかげで全てが一つの物語になってる。政治家や軍人も半藤さんがキャラ付けして、一人の生きた人間として動き出す。小学生の頃に読んでいたおきたかった本。

 

昭和天皇や山本五十六を持ち上げる傾向があるものの、語る内容も庶民目線でありながら俯瞰的な部分も付け足してあってボクの好みにあってる。

 

しかし、この本が作られた目的は、どうして有能で勤勉でしかも良識的であった日本人が破滅的な戦争に向かっていてしまったのかを問うことなので、読んでいるうちにどんどん暗い気持ちになっていってしまうのは致し方ない。一人一人は戦争をしたいと思っていないのに、会議になると戦争しかないとなってしまう体質。空気でコロコロ変わる世論。弾圧される少数意見とリアリティのない政治方針。

 

日中戦争も半藤さんの語り口で聞かされると、誰が悪いということでもなく、現場の「勤勉な」人間たちの先行により取り返しのつかないことになってしまった。よく日本のシステムとして、無能な上官の尻ぬぐいを有能な部下がやらされる、という構図が多いけども、それが好いときもあれば悪い時もある。有能な部下が状況をより悪くすることもあるということ。

 

パトレイバー2で「それぞれの持ち場で何かしなくちゃ、何かしよう。そういう気持ちが事態をここまで悪化させた」みたいなセリフがあったけども、そう思うとあの映画は押井守が戦前の史実を踏まえてよく考えられたシミュレーション映画だったと思う。シンゴジラの時に一瞬似てるかと思ったけど、シンゴジラみたいな「日本人はこうあって欲しい」みたいなファンタジーとはまるで違ったね。そう、そのファンタジーってヤツが1番怖い。日本人は強い。この一戦で勝てば戦争が勝てる。それが現実によって覆されればされるほど、幻想はさらに強まっていく。現実がファンタジーに取って代わる。これもパトレイバーで言及があった。

 

だからこそ、現実を担保するためのシステムが必要なんだけど、日本の場合は政治家が弱腰すぎて自ら大政翼賛会みたいなファンタジー強化機関を作ってしまった。まあ、戦争の時ってのはどこの国でも挙国一致になってしまうんで、結局政治家と軍人の質で全てが決まってしまう。ほんと、よく終われたと思う、ヘタしたらホントに竹槍で機関銃に向かっていくことになってたかも知れないし。

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