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3/21:中川かのん「Birth」全曲レビュー・その7

8・らぶこーる


アニメかのん編のとどめの1曲。さらに、かのん編に関わった者としても涙なしでは聴けない曲。



「らぶこーる」は、「LOVEKANON」等と同様、僕がブログで書いたかのんちゃんのアルバムのラストナンバーで、タイトルしかなかった曲だったんだけど、松田P的には「これ、かのん編の締めくくりにするっきゃないでしょ!これがボクらの"愛おぼえていますか"じゃあ!」と。最初の打ち合わせは盛り上がりましたよ。



しかし、口で言うほど簡単でないのは明らかで、駆け魂がなくなったかのんがスターとして生まれ変わる曲。原作では相当な名曲な雰囲気なんだけど、そりゃマンガで描くの簡単だわ。音ならないから。しかし、アニメだと具体的な音として説得力が必要なので。デモ選びは難航いたしました。まずかのん編の候補曲のなかから選び、その後改めて「らぶこーる」用のデモを集め、みんなで聞いたものの・・・これという曲がなく・・・。何かこう、印象として、「大人の名曲」が多かった訳です。アイドルという範疇ははみ出してはいけないからね。



これは難しいぞ・・・。と、思って、ボクは何を思ったか、「ららら・・・ なにもみえない・・・暗闇のなかで・・・・」みたいな「曲のイメージこんな」という感じの文章の羅列を書いて、打ち合わせの後に提出した。これは後から考えるとすごい恥ずかしい。歌詞なんて1巻の「集積回路の夢旅人」しか書いたことないボクであるのに、なぜこんな大技が繰り出せたのか。かのん編の打ち合わせを重ねて、色々仕上がっていたんだね・・・。倉田さんが「そのうちあんた曲書いてきそうやな」と言ってましたが・・・。しかしもちろん、これはあくまでメモ書きで、当然ながら作詞家の人に後でちゃんと書き直してもらおうと思っていた訳です。



そしたら、それからしばらくして、ボクのメールボックスにメールが。


「先生の歌詞を元にデモを集めました!」だと!な、なに〜!ダウンロードして聴いてみたら、どのデモもどもデモも「なにも〜みえない〜」「な〜に〜も〜みえな〜い〜」。こ、これは恥ずかしい・・・!こんな調子で何と34曲。えらいことになったと思った。こんなことされたら、もう後には引けない。スタッフがいないところでひっそりと全デモを聴くハメに。自分の夜中の作文を大音量で何時間も聴く苦しさ。な〜にも〜な〜にも〜・・・。



そしたら、そのなかで一つ、ボクのイメージにあってる曲がありました。それが川崎里実さん作曲のデモだったんです。川崎さんのデモは曲自体も良いんだけど、「国語的に正しい」というか、ボクがこういう風に歌詞を感じて欲しい、という文章の流れと音楽のメロディ・アレンジの区切りがピッタリ合ってた。歌詞はハズかしいけど、曲はこれがいい!と言うことになりまして、そこからみるみるうちに曲が完成しました。



しかし、そこから苦労したのが「2番」。2番の歌詞ですよ。ボクの書いたメモは1番の歌詞分しかなかったんです。そりゃそうだ、メモだから。それが正式採用されたことで、今度は既にあるメロディに合わせて、2番を考えることになってしまった。勢いで書いたメモと違って、こっちはもう地獄。素人なんで、ヘタに装飾的な言葉は使わないように決意したのが、余計に難しかった。ボクの詩的ボキャボラリーを来世の分まで使って、2番も作りましたが・・・ああ、もう2度とゴメンですね。



曲ができたら、後は歌。東山さんは「らぶこーる」を歌えそうということが前提で決定になった人なので、歌は最初から全然心配してなかった。


レコーディングはかのん編の曲群の最後の最後に行われ、ボクももちろん立ち会いました。ボクの隣りに座っていた松田Pが「もう最初の1声目で涙出そうでしたよ」と。感動家の松田Pのみならず、ボクも聴きながら熱いものを感じました。かのんのピンナップを譜面代に貼り付けて歌う東山さん。自分が歌詞を書いたとはとても思えない、もう恥ずかしくも何ともない、本当に素晴らしい曲が生まれていました。これでかのん編のラストは大丈夫だ、と確信しました。そして、実際かのん編のラストは皆さんがご覧になった通りです。



安心したボクは、幸せな気持ちで、スタジオでかのんちゃんのインタビュー記事を書いていましたとさ(特典で付いてるヤツね)


 


(おまけ:スタジオでの会話)


ボク「だからね、私はアイドルって宣言をして、重荷を背負って、最後にアイドルを捨てるってのはデヴィッドボウイが昔やったんだよ」
東山さん「はぁ」
ボク「だからね、この「らぶこーる」ってのはアルバムのなかでは「ロックンロールの自殺者」的なポジションなんだよね。この「Birth」は「ジギースターダスト」みたいな展開なの。まあ、映画の方ね。」
東山さん「はぁ」
ボク「そういう意味では、「らぶこーる」ももっと静かな始まりでもいいかもしれないよね!ギター1本で歌うみたいなさ!」
東山「はぁ」
ボク「それでね・・・・・」
甲さん「それじゃあそろそろレコーディングやりますか」
東山さん「は〜い!よろしくお願いしまーす!」

wakakitamiki * かのんBirth全曲レビュー * 20:01 * - * - * pookmark
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