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11/30:FLAG122B「コアクマのみぞ知るセカイ」

 
うーおーるふぉーゆーですーあわわー!



という訳で、先週は本編もアニメも番外編という話でした。



まずはアニメ本編の話ですが、今週は何と僕が脚本を書いておるのです。これはもう降って湧いたようなお話で。


この話を制作していた頃は倉田さんの仕事が余りにも立て込んでいて非常にお辛そうであったのです。なので、打ち合わせでふと、「じゃあ、僕が書きましょうか、休載もらえたら」みたいなちょっと冗談めかした感じで言ったら、最後の休載・・・の下りを打ち消すような勢いで「そうですか!それはいいですね!」みたいな感じで外堀が突貫工事で埋め立てられまして!普段なら本編以外の仕事をやらせたがらない担当氏まで、なぜか「やりゃあいいじゃないっすか」みたいなこと言うんですよ。何だか全部含めてワナだったんじゃないだろうか・・・とか今となっては思うのですが、ともかくそういうことになりまして。


しかし、ただでさえ仕事が遅い僕が、休載なし(なしなのね〜)で全く門外漢のアニメ脚本をいきなり書くというのは大それたことで、まず松田Pに原作のセリフを全部脚本形式に書き直してもらいまして(松田Pってこんなこともできるんだ!)、それを入れ替えたり足したりして僕が盛って、それをアニメの形式にあうように倉田さんが綺麗にしてくれる・・・という感じで脚本が完成しました。だから、脚本のクレジットは僕ですが、松田・倉田・若木の共同制作と言っていいと思います。



ただ、アイデアは良いも悪いもほぼ100%僕のものです。というのも、時間がなかったからこその代打で、しかも原作者ということで、直しという過程がなかったのですよ。時間の都合でカットされた部分は多少ありますが・・・。



ベースは原作2巻のエルシィケーキ話の改編ですが、原作をご存じの方は、元との違いを色々と感じながらご覧になったと思います。アニメの方も原作と同様、複数目線によって一つのストーリーを見ていく形式を採用していますが、根本的な考え方がかなり変更されています。



複数目線で構成されたストーリーは色々な形式が既に知られています。


1・EVEやDESIREのような、マルチサイトアドベンチャー。

これは複数目線で一つのストーリーがパズルのように完成する形です。二人の目線で話が進んでいった後、三人目のキャラクターが登場して間を全部繋げたりするなどのバリエーションもあり。簡単なものでは補完しあう形にならないで、単純に一つの話が語り部が変わって語られるだけのものもあり。



2・「街」のような多人数目線のザッピング


これはある時系列やある場所を固定して、そこに入れ替わり立ち替わりストーリーやキャラがお互いに影響しあいながら進むオムニバスストーリーの形。グランドホテル形式+因果律という形ですね。この場合は、決して一つの大きなストーリーが完結する必要はなく、ちょっとした運命のふれ合いというか、人間ってほんと小さいなあ〜みたいな相対的視線で見るおもしろさです。これは面白さを感じるレベルまで作るのは相当難しい。



3「パルプフィクション」のような時系列シャッフルオムニバス。


ザッピングの状態で、さらに一つのストーリーのなかですら時系列バラバラにして物語がパッパッパッと分裂しながら飛んでいくオムニバスの形態もあります。これは一見複雑なように見えますが、実際は単純なストーリーを複雑そうに見せる方法で使われるケースが多くて、ザッピングに比べると精緻ではないものが多いです。でも、その分自由なストーリーが作れます。


などなど・・・。




神のみの原作は元々は1を目して作られたものです。ゲームではよく見る形式ですからね。しかし、やってみてわかりましたが、マルチサイトをやるのに2話では尺が全然足りなかった。マルチサイトは物語に因果律の仕掛け(一見単純なものが裏では複雑、一見複雑なものが実は単純というような)を作らないといけませんが、1話ずつを完結させつつ、相互補完の準備をすることが十分にできず、単純な視線入れ替えだけにとどまりました。当時の編集長にも「やりたいことはわかるけど、うまく行ってないね」と言われました。まあ、そうだ。



だからして、今回は30分だし、もうちょっと違うことができるかな・・・と思ったのですが30分と言えば連載で言うとせいぜい2.5話分。あんまり尺が変わってないのですね。だから、あの原作をそのまま使ってもあんまり変わらないだろう・・・ということで、ちょっと違うことをしようと、1の実現をあきらめて、3の方向性でやることにしました。



イメージは「運命じゃない人」で、ケーキが複雑な方法で桂馬のところに届く・・・みたいなところから始めたんですが、時間的、技量的限界でもって、そんなに入り組んだものは作れませんでした。本当はもっと「意味不明」なものを作るはずだったのですが、一見で結構把握できてしまいましたね。でも、その不足分は、何とか麻里さんに助けてもらおうという感じで、後半の麻里さんの大活躍と相成ったのです。当時はエルシィが人気が出るとも思っておらず、僕の趣味で麻里さんになりましたが、エルシィの今の人気を考えたらお風呂に二人で入れるような工夫をしておけばよかった、と今更ながら後悔。



未熟な話におつきあいしてくれたアニメスタッフの皆様に感謝です。そして、予告イラストの佐野俊英さんにも感謝。この方が来ると思っていた人は少ないんじゃないでしょうか?この方は、知らない人がいれば是非教えたい絵師No1の方なので、電波に乗せることができて本当によかったです。



そうそう。おまけで僕が書いた最初のテキストをお見せします。これは倉田さんによるお色直しが入る前のラフ状態。でも、ほぼ最初のテキスト通りにアニメされていますね。

http://wakakitamiki.coolblog.jp/kaminomi08.txt



そして連載本編の方は色々スケジュールの問題で10pの番外編になりました。ちひろの続きをお持ちいただいている読者の方は落胆されたかも知れませんが、まあ、結果的にエルシィばっかりの回が久しぶりに描けて、作者的にはよかったです。さあ、アンケートはどうだったんだろう・・・?



扉はかのん編の1話目の扉と同じ格好です。夢が叶ったよ・・・ということで。

wakakitamiki * 神のみぞ知るセカイ * 19:35 * - * - * pookmark
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