10/8:瀬奈ちゃんHowareyou
ボクは基本的に道具は何でもいい人で、絵を描くソフトもほぼデフォでやっとるんですけども、最近クリスタの「ミリペン」が調子よくってそればっかり使ってる。
10/9は瀬奈ちゃんの誕生日。
なんかアナログ感あるでそ。
ボクは基本的に道具は何でもいい人で、絵を描くソフトもほぼデフォでやっとるんですけども、最近クリスタの「ミリペン」が調子よくってそればっかり使ってる。
10/9は瀬奈ちゃんの誕生日。
なんかアナログ感あるでそ。
8月1日は、キサラの誕生日。
連載開始の時のデザインテスト。
「キングオブアイドル」はその楽しそうな設定と裏腹に、制作現場での葛藤が終始すごくて、キサラ編はその頂点とも言うべき裏天王山でしたね。
主な原因が打ち合わせ。
とにかく打ち合わせで意見が出ない。
ボク「AとBのアイデアを考えたんですけど、どっちがいいですか?」
担当氏「いや〜悩ましいですねぇ」
ボク「Aはこういう考えで出してみたんです」
担当氏「なるほど、Aはいいですねぇ!」
ボク「Bはこういうアイデアで作ってみたんです」
担当氏「Bもいいですねぇ!」
ボク「で、どっちがいいと思います?」
担当氏「いや〜悩ましいですねぇ」
ボク「…」
〜次の日〜
ボク「結局Cにしました」
担当氏「Cいいですねぇ!」
こんな極めて根無し草な打ち合わせが数年間繰りかえされた。ボクにダメだしが出なくなって久しいけど(ねじの人々は除く)、ちゃんとしたイエスも出なくなった。すると段々、全部自分で抱え込むようになってしまう。24時間ず〜っと続く自問自答。描いてる間も全部のコマ、全部のセリフを検証し続ける。そしてある日、アタマがボカーンってなって、2週間休載してしまった。これは全部含めて、結局のところボクの力不足なんだけど、とにかく全身切り刻まれているような日々だった。
このボクの当時の悩みを受け止めてくれるのは、KOIのメンバーではキサラしかいなかった。2週間の休載を経て、ボクはキサラ編に取りかかり、キサラ編はボクの不安をストレートに描いた話になりました。
今は担当氏も変わって、打ち合わせは正常化してる。ダメだしもちゃんとあるし。ただ正直言って、週刊連載する気持ちがなかなか湧いてこない。キサラは前を向けたというのに。キサラの歌が聴きたい。
でも、16bitを描けば描くほど元気になれるから。16bitをあと何冊か描いたら、充電できるかな。
昨日は、遙名まほろくんの誕生日でした。
10数年来、打ち合わせで女装ネタを出していたボクが、サンデー誌上もっとも女装が似合う主人公…を目指して誕生したまほろ君。
ボクがマンガを描く時ってのは大体「相対論」から始まる。バトルものをやろう、という時は「どうして男が戦わないといけないの?」というのが裏テーマだった。ゲームを題材にしましょうとなると「ゲーム世界って現実よりも本当に下なの?」と言う立ち位置をとる。まぁ、なのははちょっとコンセプトが違うけども。こういう考え方もあって、ボクは本来ニッチな漫画家。
どうしてそういうことをするかと言うと、それによって、物語を進めることで主人公が深い意味で運命と向き合えるからなんだ。で、KOIはアイドルものということで「かわいいは本当に正義なの?」と言うコンセプトを立てた。どうしてマンガに出てくる女の子はかわいくないといけないの?このお題によって、ボクはアイドルという存在について掘っていきたかったし、そういう意味でも、主人公は男であって欲しかった。かわいさの正体に入り込んでいくためにね。
あと、もう一つ理由があって、アイドルもので絶対的な女の子というのを、ボクが既に描いてしまってて手も足も出なかった訳。それはもちろん、中川かのんという存在なんだけど。ボクには、かのんを越えるアイドルを生み出せそうにないな〜と。それだからして、このまほろという子は、「中川かのんの息子」として誕生した。これなにげにすごいこと言ってますけども。星崎恋役=中川かのんということだね。微妙に違うよ?恋ちゃん貧乳だったしね。でも、メイツナンバーをみてもらえたら物語の年代が大体わかるけど、一見つながりのないように見えたKOIは神のみのパラレルワールドであり、かのんという存在にまほろが近づいていく…というのが、この物語のアウトラインであったのだ〜。
こういう設定であるから、もっとシンプルな形でよかったのかもね。例えば、まほろにお姉ちゃんがいて地下アイドルのトリオかなんかやってて、お姉ちゃんがトチりそうになって代理で女装で入ったら大ウケ。ぐらいの軽さで。まあ、そこでIOSというもう一つの軸を打ち立ててしまうのがボクという人間なんだろうなぁ。過積載ってねぇ。
かわいいという表現を素直に描くことのできないボクにとっては、男であるがゆえに心置きなくかわいく描けたという気がする。ともすれば、この子が男か女か、自分でもわかんなくなる時すらあった(苦笑)。危機感感じて、キサラ編からはむりやりウィッグを脱ぐシーンを一杯入れた。そうしないと男にならないんだ。恐ろしくボーダーレス、ジェンダーレスな主人公だったし、ある意味ではサンデーにふさわしい知的な立ち位置の主人公だった。だけど、そのポテンシャルの大きさをボクも担当さんも把握しきれてなかった。山口百恵をテイチクが預かってしまったようなものでね…と思いきや、もしかしたら数年後、まほたんに何か新しい世界を開かれた人間が革命的な男の娘マンガをひっさげて現れるかも知れない。もしくはレイヤーとか。その日を待つことにしよう。
久しぶりのメイツアルバム!
今日はガーネットの皆さんです。
ガーネットの皆さんは、三位一体ならぬ「四位一体」のNEMSLABO製のロボットたちです。
最近何かと「AI時代になって奪われる仕事」という話題を耳にするですよ。こういう話題で「奪われる側」でよく紹介されるのは資格を取るタイプの仕事、いわゆる士師業。一方、エンタメのような世界はAIにはまだまだ追いつけない、なんて言われています。でも、本当にそうなのでしょうかね。小説の新人賞にAIが挑戦するプロジェクトなど今やってますが、意外とあっという間にAI小説ベストセラーが出てしまうかもしれない。。
ということでガーネット達は「AIが人間のアイドルを超えられるか?」という役割を背負って、NEMSで生徒として活動しています。
ガーネットは、まほろたちのクラスには2人いましたが2組にも2人います。1学年4人。さらに各学年に4人ずついるので、NEMSには12人のガーネットが存在します。12人のガーネットはある種の端末でしかなく、それぞれが体験したことはガーネット全員に共有されます(例えば、ガーネット一人が誰かに会って話をすると、12人全員が会話の内容を知ってる)。12人のガーネットの活動は全てNEMSLABOのコンピューターに蓄積され、そのプログラムをNEMSの提携企業に提供することで、NEMSの活動資金にもなっております。研究主幹は、遠藤にこら先生です。
こういうシステムですから、効率だけで言うと、ガーネットは普通の人間よりもはるかに早く物事を学べます。アイドルがもしスポーツや競技ならば、あっという間に頂点に立てそうです。
ただ、エンタメの世界って、完璧なことが正解じゃない訳です!絵がきれいな漫画全てがウケてるわけじゃないでしょ()進化したAIアイドルというと「マクロスプラス」のシャノン・アップルとか思い出しますけど、あれはむしろ怖いものって感じで描かれていました。アイドルはむしろ「できの悪さ」みたいなのも感情移入の要素だから、ぽんこつなロボットって需要があるかもしれませんな。でも、じゃあ、ロボットアイドルがどんどん進化して、人間よりはるかに優秀になってしまったら、果たして応援できるのでしょうか???もしかしたら「怖いもの」として映るかもしれません。小説AIがもし本当にベストセラーを書けるぐらいの能力を得た時には、AIはAIと名乗らず、人間の名前でフツウの作家のように出てくるでしょう。
完璧じゃない人間の「コンプレックス」をAIは理解できるのでしょうか?究極進化ガーネットとまほろのデュエットは見てみたかったですな。
20日は生駒みなみさんの誕生日でした。ツイッターでメッセージをもらったので(落書きで申し訳ないですが)イラストをあげました。
ちなみに、19日は、キングオブアイドルの遠藤にこらさんの誕生日だったんです。
誰やそれ!ってお思いでしょうが、KOIの授業のシーンで鼻に洗濯ばさみを付けていた先生を覚えていますか。その後もちょこちょこ画面に見切れてたり、単行本のカバー裏で論文を発表したりしていました。結局あの人って何者なのか、全然わからなかったですよね。
それで「メイツアルバムってもうやらないの?」っ言う質問に「文章的には余裕だけど、イラストを描く気力がない」ということで、イラストのハードルをすごく下げることで、続けることにしました!
遠藤にこら先生ってこういう人です。興奮すると鼻血が出る。
にこら先生はもともと優秀な科学者で、IOSというシステムに知的な興味がありNEMS入りしました。結果NEMSの初年度メイツのうちの一人だったのですがアイドルとしての活動はせず、早々に裏方に回って、IOSとオブジェクトの研究に回りました。以来10年間に渡り、NEMS地下にある研究所「NEMSLABO」にこもってずっと研究をしています。ムーグシンセサイザーの進化よろしくIOSがただの実験道具から表現デバイスに進化を続けているのは、にこら先生の研究所の努力があるのです。普段は髪もボサボサ、風呂も入らない、交流もしないダメ女です。授業もただボソボソ話すだけで、質疑応答はゼロ。テストは「自分の好きなことを科学的に自由に説明してください」という1問だけ。研究所の外ではまるでやる気なし。
ちなみに、NEMSLABOのメンバー(フェローと言うべきか)は他に、NEMSショップ店長の「石川虎白」もいます。彼女も元NEMSメイツで、IOSのハッキングをして「白IOS」を作り独自オブジェクトを出すという蛮行を行っていました。そしてその腕前を買われてNEMS卒業後はスタッフになり、今はNEMSのセキュリティ強化やNEMSショップのオンラインショップを「わざと」ダウンさせて購買意欲をあげる、などで活躍しています。(ちなみに、元NEMSメイツが卒業後スタッフになるシステムを採用したのは、NEMSのセキュリティの問題の他に、作劇上のこだわりというか…「どこみてもかわいい女の子の学校なんてあるわきゃないだろ」という事をリアルに可能せしめる形式だからです)
「歌がなぜ人を感動させるのか」
それはにこら先生の永遠の研究課題であり、それが解明できれば人間というものの正体がわかる、その鍵がまさしくIOSと彼女は考えています。そのために彼女がここ数年取り組んでいるのは、『PROJECT GARNET』です。それはアンドロイドGARNETを使った人間の歌の完全なシミュレート、そしてさらには人が歌う歌を越えた「完全な歌」 を完成させる。これが、考えるだけでにこら先生の鼻血が止まらない、大いなる野望なのです。
最近ダンスミュージックとかの低音とかって、もう普通のスピーカーじゃ出せないレベルになってるらしいですよね。こんなの人間が楽器で出せる領域じゃない訳で、これぐらいの低音が出せないと海外じゃあもう問題外とかゆー話になってくると、言い方悪いけど合成麻薬みたいというか。媚薬投入されてるみたいなものですよね。これが未来の音楽なのでしょうか。
まほろの特別な声はにこら先生にとって重要なサンプルで、藍先生と並んでまほろの重要な庇護者がにこら先生でした。まほろのデータをつぶさにみたら女じゃないってすぐにわかるはずなので、にこら先生がまほろの身体データやIOSの数値をいじくっていたのは想像に難くないところです。
にこら先生とGARNETPROJECTは「マクロスプラス」みたいな話で、個人的にこれだけでもマンガにできそうなノリがあったのですけども、ほとんど背景で終わってしまったのは残念ですね〜。
筏洋子&梶川舞
KOIの1話登場組を除くと、1番人気があったような気がするコンビ。
「とにかく何でも楽しくやる!」という二人組で、この二人には大層なストーリーは似つかわしくないので何にも考えてなかったw何しろ悩みなんてものは全くない二人なのだから。
舞ちゃんと洋子は、持って生まれたアイドル素質で来るべくしてNEMSにやってきた。そのアイドル素質というのは、方や「恐ろしくモテる」ということ、方や「ヤンキー」だということ。
舞ちゃんは何となく常に「ちゃん」を付けてしまうけど、モテる。モテるは芸能人の基本の基本スキル。青山辺りに行くと、「セミプロ」っぽい人が一杯歩いてる。遠目から見てもめちゃかわいくて、きっと芸能人なんだろうな。でも、本当のスターになるような人って、こんなものじゃないんだろうと思う。女優さんとか、学校に行くまでの道すがら告白する人が列をなしてたってマンガみたいな話あるもんね。グラビアアイドルとか、目の前で見ると「こんなバランスの身体の人ってこの世にいるんだ…」ってビックリするもんなぁ。
舞ちゃんもそういうタイプの人で、とにかく小学生の時から男の子に取り囲まれていた人生なのだ。モテるための努力とか一切したことのない、天真爛漫さ。羨ましいこと。そして彼女は奇矯なことに、寄ってくる人全員の話を聞いていたんだろうと思う。だからこそ、1000人とつきあってましたみたいなことになる。彼女のつきあってるがどこまでを指してるかわからないけど、もしかしたらボクでも一度はデートに行ってくれるかもしれないような…舞ちゃんはある意味神様なのだ。
一方、洋子は埼玉のマイルドヤンキー出身。
小泉今日子の暴走族爆走初日の出伝説に見られるように、ボクらの若い頃はかわいい子というのはまんべんなく不良文化に身を投じていた。本人の意思はともかく、強い男が彼女たちを放っておかないのだ。小学生の時はただ普通にかわいかっただけの子が、中学に行ったらみんな怖い感じになって、ボク撃沈。そして、アイドルの親衛隊と言えば、オタクとヤンキーの巣窟。アイドルはヤンキー文化と隣り合わせだった。
従ってNEMSにヤンキーのDNAを持った人間がやってくるのは必然であった。もっとも、洋子は家がヤンキー文化なだけで、本人はいたって普通のトラクター大好き女。オープンマインドで友達思いのヤンキーの良いところだけを受け継いだ娘だった。
舞ちゃんと洋子の共通点が一つあって、それは結婚願望。
二人とも、アイドルになったら素敵な出会いがあるはず…と言う夢を持つドリームガール。トップアイドルになるとかそういう上昇志向はまるでない。舞ちゃんは本当に自分が好きになれる男を探しに、洋子は姉二人が結婚で失敗してるので地元で婿捜しというのに限界を感じて(!)、ともに素晴らしい出会いを待ち望んでいるのであった。
ただし、現実でそんなすごい出会いがある訳じゃなし、まして瀬奈のような、男とほぼ縁の無かった人間もいる訳で。そういう方々のために、舞ちゃんのデート講座というものがNEMSハウスで夜な夜な開かれていた。これは舞ちゃんが今まで出会った男の話をただ聞くだけ、という会なのであるが、これが洋子始め、男に縁がなかった連中を興奮のるつぼへとたたき込んでいたのであった…という話、是非描きたかったなぁ。この二人がまほろと接触した日にはどんなことが起こったんだろうね。
飛鳥未来
あ、変な制服。
これまたオンリーエピソードがあった、「1話5人組」の一人、未来さん。自分で名前つけておいて、未だに「飛鳥」が名前みたいに感じてしまうボク。
未来は変わった女の子だけど、実はメイツのなかで一番の知性をもった才女。そして、アイドルについてボクの考え方の実践者でもあった。
KOIという物語はアイドルものではあるけども、根底には傲慢にも「脱アイドル」的な思想が流れていた。ボクは子供の頃からロック的思想にかぶれきった人間で、『成りあがり』で矢沢の永ちゃんが言っていた「ピンクレディーは自分たちがオトナに搾取されてるということに気づいてない」という文章にもショックを受けたクチだった。
アイドルって一体なんだろう?どうしてアイドルはプロデュースされないといけないの?アイドルは恋が許されないのはなぜ?そういうボクが普段から考えているアイドルに対する疑問。それについて自分のなかで(わちゃわちゃやりつつも最終的には)再定義するために始めたのがこの連載だった。
神のみだって同じ思想で始まってる。神のみはギャルゲー愛に満ちてるとか言われてたけど、実はボクが内心思っていた「ギャルゲーが女の子を定型化していたずらに消費してるのではないか?」という疑念に対する検証でもあった。ボクはギャルゲーは実際好きです。大好きです。でも、その一方で女の子がどんどんと属性化・単純化されていってるような気がしていた。そういうボクの疑問をベースにして、生身の女の子とゲーマーが対決する話。それが神のみの構造だった。アルバトロスだってそう。どうして少年マンガの主人公は女の子を助けないといけないのか?ボクの連載は毎度そういう「ハテナ?」から始まってる。そら、打ち切りも食らうわ。と自分でも思う。
まほろは理想側の人間であり、アイドルはこういうものだ!という理想化されたアイドル像の遂行者だった。一方、いかなる押しつけも胡乱を感じる未来は、アイドルというものの常識を疑う立場だった。1話目からそういう部分は発揮されていたけども。実は未来こそがウタコ学長の求める再定義されたアイドルを作れる人材であり、未来は名前の通り、まほろの"先"を見据えた上位ヒロインだった。二人にはラブストーリーというより、同志としての結末が待っていたような気がする。しかし連載終了が決まってしまい、ハルトという(まほろにとって)邪道アイドルという言うべき存在が登場して、未来とまほろがNEMSでぶつかりあう、というシーンは戸棚のなかにしまわれてしまった。
未来はボクのなかで相当なお気に入りだった(陸上部というのでもわかるように)ので、一杯設定があった。未来と言えば、お姉ちゃん・翼の存在。連載が続いていたら、お姉ちゃんはNEMSに下級生として入学していたであろうし口惜しいこと。そうそう、下級生のメイツも多少考えてはいたのに〜。タイムスリップしてきたお姫様とかね。未来のお母さんもNEMSの妨害工作で新しい事務所とか作ったかも知れないし(そこの事務所の所属がハルトになるはずだった)。未来の神坂名物紹介のコーナーもやりたかった…。
単行本発売から数日経ちました。
皆さんの購入報告、とても元気になります。
これからメイツたちのお話もポツポツとあげてみたいと思います。順番はメイツナンバー順。あ、描かなかったことも一杯書くので、本編のイメージを大切にする人は読まないようにしましょう。
赤井瞳
瞳ちゃんは、オンリーエピソードがあったので恵まれた(!)女の子。
栃木県まで電車に乗って写真を撮りに行ったのは、いい思い出。
事前の読み切りもなかったKOIは非常に短い準備期間で始まった連載なんだけど、その準備のほとんどは、メイツのメンバーを考える時間だった。ボクの他の連載にも、モバマスにもいない女の子、という条件で仕事場のスタッフさんたちと一緒に考えたんだけど、瞳ちゃんはそのなかでも最初に思いついた女の子の一人。巫女さんが神社再興のためにアイドルになる。というわかりやすさ。そして内気で巨乳というキャラクターは当時の担当さんには非常に好評で、「メガネをかけましょうよ!」なんて言われていた(属性がかぶりそうだから止めたけど)。
赤井瞳というのは黒木瞳のパロディ。なんか古い芸能人っぽい名前にしたかったので。アイドルマンガというのは、少年マンガではあんまり成功例がない。まして、ラブコメを最前面に置かない物語となればなおさらだ。ただ、連載開始当時のボクは、アイドルは、暗黙の了解で「何かのために歌ってる」という前提があるから、その理由でドライブできる。そう思っていたんだね。
本誌を読んでくれてた人ならわかると思うけど、瞳ちゃんの性格は途中で変わった。最初の瞳ちゃんは、神社が重荷で巫女という立場を疎ましく思ってて、その自分にも罪悪感を感じてる…という設定だった。しかし、こんなわかりやすい設定を敢えてややこしくすることないかと思って、スッキリけなげな女の子に変わった。しかし、その瞳の変更があった5、6話の時点で既にボクは、「この連載、大丈夫なのか?」と不安で一杯になった。自分一人でコントロールできる規模なのか…。(この出来事には更に伏線があるんだけど、また別のページにて。キサラの時にでも)
でも、瞳の性格がスッキリしたおかげで、後の瞳オンリー編はKOIで一番コンパクトで良いエピソードになった。そして、正しいルートであれば、瞳は最初にまほろを男として好きになる女の子のはずだった。瀬奈よりも先に。でも、終了が決まってしまって、瞳の正妻ルートはナシになってしまった。この展開に持ち込めなかったのはもったいなかったなぁ。巨乳の少女、ってのはボクも今まで描いたことなかったのでね。ただ遅まきながら単行本のエピローグで瞳も少しだけ追いついたので、単行本の最終回は新しい始まりなのかも知れないなぁ。
告知です。
明日10/18より、キングオブアイドルの第6巻が発売されます。最終巻です。
こういう表紙です。
今回は、最終巻ということもあって、エピローグとして1話新しい話が追加されています。それも含め、22ページぐらい描きおろしをしました。本誌の最終回はコンセプト重視でしたが、エピローグの方ではストーリーも少し触っています。これで正式な最終回とさせてもらいたいな、と。。そして本誌最終回のリレーコンサートも、より「繋がる」ように調整しなおしました。これでも完璧に繋がるかどうかわかりませんが…裁断は計算できないのでw
全体としては道半ばで終わったKOIではありますが、一つ一つのエピソードはちゃんと描けたのでボク的には満足です。是非読んで下さい!こぼれてしまったお話については、またブログで細々とフォローしたいと思います。
書店ペーパーもあります。
ウェブサンデーの方を見て下さい↓
https://websunday.net/news/18101004.html
今回は全員カラーになっております。
3店分しかないので、4人組のなかで未来がいません。が、彼女のペーパーもあります。彼女のメッセージペーパーは今ここで公開します。
(クリックで拡大)
どうぞどうぞ。
いやしかし〜。連載が始まる時に「これはボクの最後の週刊連載」と自分で言っていましたが、終わることが決まって最初の気持ちは「これで長生きできる」でした。こんなにフルパワーで描くことは(体力的にも)この先できないと思います。そういう意味ではまあ、490円も致し方ないかと!!!(ごめんね、高くて) このブログを読んでいる物好きな方々には、色々察していただきたいと思いますw