4/26:補足。

今日はカラーを描いています。


そう言えば、ツイッターで僕が話した内容の「ガイドライン」について、ここで書いておこうかな。


よくマンガは、絵とかストーリーとかで評価されてるんだけど、僕的にはそういう端的なスペックでの評価では漫画家の全体像が見えないような気がして。絵が巧くなった=いい漫画家になったとは限らない。強化はされるかも知れないけど。むしろ前にブログでも言ったけど、技術が上がっていくと、新人は必ず一度劣化するしね。むしろ「こうしなくてはいけない」という形式に作家をはめてしまうような気がする。



時間がないので、詳しくは説明しないけど。
僕が自分の体験から得た新人が連載を獲れるまでの必要条件とは。


 


1・強力に描きたいもの(価値観)を持っている

2・それが、マンガ上に十分に表現できている

3・それが読者が楽しめるものになっている

4・1-3の要件が、コンパクトなエピソードやページ数で表現できる。

5・4の要件を何度も繰り返し出せる世界観やストーリーラインがある。



こういう感じ。1が一番大事で、ここは人によって作り出せるものじゃなく、また変にいらっちゃいけない部分。2は「テンポ」とか「語り口」みたいな技術的な部分だけど、1と密接にリンクしていて、ここもなかなか教えられるものじゃなく作家性のコアな部分。ちなみに新人の漫画賞は1か2をある程度満たしていれば何かしらの賞はとれる。1>2なら佳作タイプ。1<2なら入選タイプ。しかし、どっちか言うと1の方が上にすんなり行ける可能性があって、語り口でマンガを描くタイプは編集の直しが受け入れられず、低迷するルートもままある(僕がそうでした。僕はほぼ2だけで賞を獲ったので何を描けばいいかわからず、漠然とした「いいマンガ」みたいなものと戦う羽目になりました)。


この1・2がどこにあるのか、作家が知らなかったら探すのが編集者の仕事かも知れない。これは技術論ではなく、その作家の人生がどうであるかという話。



3以降が主に編集者の出番。作家性のなかから受ける部分を集中させる(受けない部分を切り捨てるという訳じゃなく1と2を持ってるその作家という人間全体をどういう風に魅力的に紹介するか・・・ということ)。僕の感覚では、1と2が揃ったら、クラブサンデーやサンデー超でまず連載。そのなかで3を磨いていって、5を見据えた4の状態を作って本誌読み切り。それで5を加えて本誌連載というのが机上の空論ルート。本当はこの後「ヒットする条件」みたいなところまで行きたいけど、これは自分の体験がないのでわからない。


新人は最初から自分が1-5まで全部持っていると思っているもので、それをより分け、通用する部分をしない部分を評価しながら、落ち込んだり復活したりを繰り返して、もう一度作家が全てを理解した状態で5に至る流れをどれだけ短時間で作れるか・・・。



まあ、この評価の運用をどうやるかってのはまだわかんないんだけどね。漫画描きだから、机上の論理以上のものは考えられないのね。


なんでこんな話になったかは、ツイッターを見ていただきたい。

wakakitamiki * セカンドデビュー * 22:06 * - * - * pookmark

5/3:その2・「セカンドデビュー」

自分の思い出を語るのが好きな私ですが、できれば続けて話したい話があったので。ちょっと予告。




ボクの仕事場のアシスタントはみんな連載を目指す、プロの卵たちです。みんなやる気満々で、マンガにかける情熱はもう半端じゃない。ボクが20台前半の時に、あそこまでマンガのことを考えていただろうか・・・。本当に敬服する。


そして、みんな、それぞれの壁にぶつかっているのです。
作品的な壁、人間関係の壁、チャンスの壁・・・。プロの漫画家になるってのは、本当に大変なんだよ。



担当さんに言われたですよ。「若木さんからも何かアドバイスあったら言ってあげてくださいよ、みんな参考になると思いますよ」なんて。


ボクはまだ連載作家としては新人なんですが、それでも、アシスタントにアドバイスするだけなら簡単にできる。不思議なことに、連載を獲ってみて振り返ると、あれだけ苦しんでいた連載を獲れてない時の問題、そして解決まで大体わかるようになるんですよ。一度越えた場所だし、そこは「何となく」では越えられない壁だから。


でも、その壁は自分の力でしか越えられないし、仮に壁の越え方を教えても、壁にぶつかってる人は、ボクの言ってる意味がわからない。だから、ボクがあんまり言っても、「わかりきったこと言うな」みたいな感じで、押しつけられているようにしか聞こえないだろう。


人が教えられることは限界がある。バクマン読んだり、漫画の描き方入門を見たり、漫画学科行くのは、ある程度は有効。でも、漫画の描き方入門の延長線上に、プロの漫画家はないと思う。




ただ、ボクも担当さんに言われてから、色々考えて。まあ、せめて、自分がどういう風にプロの漫画家として連載を獲ったのか、という話をブログで書いていこうかなと思う。暇があったらね。とにかくボクは、プロになるためにぶつかった壁の回数には自信があるからさ。これは初心者向けの話じゃない。でも、もう担当さんがついた、もしくは、漫画を書くことに自覚的になってきたプロ指向の人には、少しぐらいは参考になるかも知れない。

自分の体験談からまとめた、漫画家になるためのステップの話。
まあ、こんな感じの話を。


自分も含めた新人の多くがハマる一つの法則として、


「3作目のクレバス」


というものがあるんじゃないかな。新人賞に応募し、受賞なんかして、担当が付いて・・・いよいよ漫画家になれる!と思った新人が直面する壁。


1作目。これは受賞作だ。技術的には未熟だが、描きたいモノを描いて、のびのびとした作品だ。初めてついた担当さんも「面白かったよ!これから頑張っていこうね!」なんて言ってる。やるぞー!


2作目。受賞後始めての作品。やる気は満々。まだ20才そこそこ。オレ、マンガ界に現れたニュースターじゃないかな?!ってなもんだ。ネームなんか3日で描いてしまったよ!担当さんに見せたら「うん、おもしろいよ」と言ってくれる。やった!「でも、これからプロのマンガ家になるんだから、読者にもっとウケるように直していこう。」わかってます!了解!早速直す。おお、なんか、プロの漫画家になった気がする。2作目も無事完成。これは残念ながら、買い取りにはなったが、掲載されなかった。まあ、まだまだ未熟だからね!でも、次は見てろ!


さあ、3作目。まだまだやる気だ!担当さんから色々アドバイスも受けたし、今度はボクの一番の傑作が描けそうな気がする!担当さんの言いつけも守ったし、自分でも最高傑作ができたぞ!もしかしたら・・・「これで連載行こう!」なんて言われたりして・・・てへへ!早速、完成したネームを担当さんに見せる!

担当さんの感想。





「う〜ん・・・・なんか、今回はイマイチだね」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・突然、自分の周りに、霧が立ちこめ始める・・・。なぜだ・・・・?前は面白いって言ってたじゃん!今回は、自分でも前よりよくできたと思ったのに・・・絶対にうまく行ったはずなのに・・・?なんで、面白くないの?



1年後・・・。



あれだけ面白いように描けていたネームが1pも進まない。何を書いても面白く思えない・・・ネームを描きながら思うことは、担当の野郎はオレをつぶそうとしているじゃないかという恨み・・・自分の漫画にこだわるくせに、自分の漫画が何だかわからない・・・オレよりつまらないヤツがなんで連載とか取ってるんだ!という成功者への嫉妬と自己嫌悪の毎日・・・・。



・・・・・どうして、こういうことが起こってしまったのか?



マンガ賞なんか受賞して掲載されることを、デビューなんて言う。同人やネットなら表現しようと思った時がデビューだ。でも、そこから、商業マンガ家として独立するまで・・・いわばセカンドデビューに至るまでの話。


ま、時間を見て、ちょぼちょぼ書いていきます。
wakakitamiki * セカンドデビュー * 18:10 * - * - * pookmark
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